今回は、現在お使いの給湯器の交換をお考えの方に、給湯器を交換する際に確認しておきたいポイントや給湯器を交換するときの注意点をご紹介いたします。「必要な機能が備わっていない給湯器を選んでしまった」「給湯能力が足りなかった」といったことにならないためにも、ご紹介する確認ポイントや注意点を踏まえ給湯器選びのご参考にしてみてください。

給湯器交換を検討する前に確認したいポイント２つ

1:取扱説明書で故障かどうかをチェック！

画像引用元：NORITZ（ＧＴ－２４７０ＳＡＷＢＬ）

「お湯が出てこない、お湯にならない」「熱くなったりぬるくなったり温度が安定しない」「給湯栓から出るお湯の量が少ない」など給湯器の異変を感じた場合は、修理や交換を検討する前に取扱説明書で故障かどうか？を確認しましょう。
取扱説明書には給湯器に異常が起きた際の対処法についてケース別に記載してあります。フィルターを掃除したりリモコン操作で設定を変更するなど、説明書通りに対処をすることで正常に作動する場合があります。そもそも故障ではない場合もありますので事前に取扱説明書で確認するようにしましょう。

各メーカーの取扱説明書｜ダウンロード方法

給湯器の取扱説明書がお手元にない場合はメーカーのWebサイトからダウンロードできます。ダウンロード手順は以下の通りです。

1）給湯器の型式を調べる

説明書をダウンロードするには給湯器の型式（型番・品番）を把握する必要があります。
給湯器の型式は、給湯器本体の正面や側面に貼り付けてあるシールに記載されている英数字のことです。「型式　〇〇〇」と記載されているものもありますが、「型式」の表記がなくシールの一番上に型式が表記されているケースが一般的です。

2）メーカーの公式サイトから説明書をダウンロードする

画像引用元：NORITZ

給湯器の説明書を入手するには、メーカー公式サイトの検索ページにて、給湯器の型式を入力することでダウンロードが可能です。各メーカーの取扱説明書がダウンロードできるWebサイトは以下の通りです。

【メーカーの取扱説明書ダウンロードサイト】

• 東京ガスはこちら＞
• 大阪ガスはこちら＞
• リンナイ（Rinnai）はこちら＞
• ノーリツ（NORITZ）はこちら＞
• パロマ（Paloma）はこちら＞
• コロナ（CORONA）はこちら＞
• パーパス（PURPOSE）はこちら＞
• CHOFUはこちら＞

2：修理できるか確認しましょう！

給湯器を修理するか？または交換が必要か？については、メーカーに部品の取り寄せができるかどうかによって決まります。
給湯器の寿命は使用頻度や給湯器の種類によって異なりますが10年〜15年程度が目安となっており、給湯器メーカーは標準的な使用方法で安全に使える標準使用期間を10年としているケースが一般的です。
給湯器は定期的にモデルチェンジが行われており、部品の製造は発売後10年を目安に終了するため、部品の調達ができない場合は修理ができず交換となります。
ご自宅の給湯器の部品が廃盤になっているかどうか、また、給湯器本体が生産終了から10年以上経過しているかどうかについては以下の方法でご確認ください。

各メーカーの部品供給・生産終了日を調べる方法

1）給湯器の型式を調べる

給湯器の型式（型番・品番）を確認しましょう。給湯器の型式は、給湯器本体の正面や側面に貼り付けてあるシールに記載されている英数字です。

2）メーカーの公式サイトから部品供給または生産終了日を調べる

各メーカーの部品検索ページや製品検索ページにてお使いの給湯器の型式を入力することで、部品供給が終了しているか、または生産終了日から10年以上が経過している給湯器かどうかが確認できます。各メーカーごとの部品・製品検索ができるWebサイトは以下の通りです。

【メーカーの部品・製品検索サイト】

• 東京ガスはこちら＞
  東京ガスでは販売開始年月を調べることができます。販売開始年月から20年以上を経過している給湯器の場合は、部品が生産終了になっている可能性が高いため本体の交換が必要となります。
• リンナイ（Rinnai）はこちら＞
  リンナイの部品検索では部品が廃盤かどうかを調べることができます。
• ノーリツ（NORITZ）はこちら＞
  ノーリツの製品検索では生産終了日を調べることができます。生産終了日から10年以上経過している給湯器の場合は、部品が生産終了になっている可能性が高いため本体の交換が必要となります。
• パーパス（PURPOSE）はこちら＞
  上記のリンク先で「部品供給期間終了製品一覧」がご覧いただけます。

なお、大阪ガス／パロマ／コロナ／CHOFUについては部品検索ページや販売日・生産終了日が分かる製品検索ページがないため、問い合わせが必要になります。
部品がある場合には修理を、部品の生産が終了している場合や10年以上経過している場合は交換を検討すると良いでしょう。

失敗しない給湯器選び！給湯器交換で確認すべきポイント5つ

給湯器の交換は、基本的には「同じ設置タイプ」「同じ種類」への交換がおすすめとなっており、給湯器を交換する際に確認すべきポイントは5つあります。
「必要な機能が備わっていない給湯器を選んでしまった」「給湯能力が足りなかった」といった給湯器選びの失敗を防ぐ為にもこれからご紹介するポイントを確認しておきましょう。

1：設置タイプを確認

戸建てとマンション・アパートのような集合住宅では、給湯器の設置場所によって取り付け可能な給湯器が異なりますので、現在の給湯器の設置タイプを確認しておきましょう。

戸建ての場合

画像引用元：YouTube｜生活救急車ちゃんねる

• 壁掛タイプ…外壁に固定されているタイプで、給湯器下側から配管が出ています。配管カバーによって中の配管が見えないものもあります。
• 据置タイプ…屋外地面に据置で設置されているタイプで、給湯器側面から配管が接続されています。浴槽内側の循環アダプター（浴槽に付いているお湯が出てくる丸い部品）が１つの場合は据置タイプとなります。
• 浴槽隣接タイプ…屋外地面に据置で設置されているタイプで、給湯器側面から配管が接続されています。浴槽内側の循環アダプター（浴槽に付いているお湯が出てくる丸い部品）が２つある場合は、浴槽隣接タイプとなります。

マンション・アパートの場合

画像引用元：YouTube｜生活救急車ちゃんねる

• 壁掛タイプ（ベランダ設置）…ベランダの壁に固定されているタイプ。
• PS標準設置タイプ…玄関脇にあるPS（パイプシャフトまたはパイプスペース）内に設置されているタイプで外から給湯器が見えます。
• PS扉内設置タイプ…玄関脇にあるPS（パイプシャフトまたはパイプスペース）内に設置されているタイプで、扉で覆われているので給湯器本体が外側から見えません。

風呂がまの場合

画像引用元：株式会社モアープランニング

風呂がまは浴槽に貯めた水を沸かす機能を持つ機械です。機械本体は浴槽の隣に設置されているタイプや、風呂がまの給排気用の穴の部分に機器本体を納める外側からは見えないタイプのものがあります。

給湯器を交換する場合は、基本的に現在の設置タイプと同じものへの交換がおすすめです。ただし、戸建ての場合は場所によっては壁掛けタイプから据置タイプへの変更など、設置タイプを変更可能なケースもあります。

2：給湯量（号数）を確認

画像引用元：給湯器交換の水猿

現在の湯量で不便さを感じていないのであれば同じ号数の給湯器への交換がおすすめです。号数とは湯量を表し、号数が大きいほど一度に大量のお湯を使うことが可能です。
一般家庭では16号／20号／24号が多く使用されており、それぞれの湯量の目安は以下の通りです。

• 16号…一度に複数の箇所で給湯しない方におすすめ。家族1〜2人向け。
• 20号…シャワーと給湯など同時に2箇所で利用可能。家族2〜3人向け。
• 24号…同時に複数箇所でお湯を使う方におすすめ。家族4〜5人向け。

号数の確認方法

画像引用元：YouTube｜生活救急車ちゃんねる

給湯器の号数は、給湯器本体に貼付されているシールに記載の型式（型番・品番）から確認できます。型式の頭文字のアルファベットの次に記載の数字が号数となっています。

【号数の表記例】

• 「TP-SQ166B-1」の場合は16号
• 「RUF-2006SAW」の場合は20号
• 「DH-N2412AWADL4」の場合は24号

現在使用している給湯器で「お湯の勢いが足りない」「冬になるとお湯の出が悪くなる」と感じている方は、号数を見直すと良いでしょう。
ただし、マンションやアパートなどの集合住宅においては建物全体のガス供給量が定められている場合もあり、変更できないケースもあります。

給湯量（号数）変更における注意点はこちら▼

3：給湯器の機能を確認

画像引用元：ビッグカメラ

給湯器を交換する場合は、現在お使いの給湯器の機能を確認しておきましょう。給湯器の主な種類や機能の違いは以下の通りです。

【給湯器の種類と機能】

給湯器の種類	給湯	お湯はり	追い焚き	保温	浴室暖房＆乾燥	床暖房
風呂がま			◯
ガス給湯専用器	◯
ガスふろ給湯器	◯	◯	◯	◯
ガス給湯暖用熱器	◯	◯	◯	◯	◯	◯

風呂がまは浴槽に貯めた水を沸かす機能を持つ機械です。
ガス給湯専用器は浴槽に給湯用の穴が開いておらず、シャワーや蛇口からお湯を貯めるタイプです。
ガスふろ給湯器やガス給湯暖用熱器は、給湯／お湯はり／追い焚き／保温などの機能があり、ガス給湯暖用熱器はさらに浴室暖房や浴室乾燥、ミストサウナや床暖房などの機能を搭載しています。

機能の確認方法

現在お使いの給湯器の機能を知るには取扱説明書を確認するか、給湯器リモコンに設置してあるボタンを確認するとよいでしょう。
なお、追い焚き機能がない「ガス給湯専用器」から、追い焚き機能付きの「ガスふろ給湯器」「ガス給湯暖用熱器」などに変更する場合は配管工事などが必要になる場合があります。

4：オート・フルオートの確認

※現在追い焚き機能付きの給湯器をご使用の方のみご確認ください。

画像引用元：鎌倉リビング株式会社

お湯はり／追い焚き／保温／たし湯などの機能をどこまで自動で行うかによって、給湯器はオートまたはフルオートに分かれます。現在使用している給湯器はオートか？フルオートか？についても事前に確認しておきましょう。

【オートとフルオートの違い】

	オート	フルオート
給湯	◯	◯
自動お湯はり	◯	◯
自動追い焚き	◯	◯
自動追い焚き＆自動保温	◯	◯
自動たし湯	―	◯
入浴検知による自動追い焚き	―	◯
追い焚き配管の自動洗浄	―	◯

オートは、お湯はり／追い焚き／保温を自動で行い、たし湯は手動です。
一方、フルオートは、お湯はり／追い焚き／保温／たし湯を全自動で行い、排水時には追い焚き用配管内の自動洗浄も行われます。
なお、オートタイプからフルオート給湯器への変更は、浴槽の側面を覆うカバーを外すことができるか？配管を増設できるか？などの諸条件によって変更出来ない場合もあります。

オートからフルオートへ変更する際の注意点はこちら▼

5：エコジョーズかどうか確認

※現在追い焚き機能付きの給湯器をご使用の方のみご確認ください。

画像引用元：パロマ

エコジョーズとは、少ないガス量で効率よくお湯を沸かす省エネ性の高い給湯器です。従来の給湯器に比べガス使用量やCO2排出量を10〜15％削減でき、ランニングコスト代を抑えられる一方、本体価格や修理・交換費用が高くなります。
2002年10月以降に設置され始めた給湯器には、エコジョーズ製品のものが多くあります。
ご自宅の給湯器がエコジョーズ製品の場合、給湯器本体にエコジョーズマークが貼られていますので確認しておきましょう。

エコジョーズ製の給湯器に変更する場合の注意点はこちら▼

給湯器交換の注意点6つ

ここまで給湯器を交換する前に確認したいポイントや、給湯器を選ぶ際に事前に確認しておきたいポイントについてご紹介しました。ここからは、給湯器交換における注意点をご紹介いたします。

1：集合住宅の場合は自己判断での交換に注意

マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの方は、給湯器交換の前に必ず管理会社や管理組合に相談しましょう。
賃貸の場合、経年劣化による故障の修理費や交換費用は大家さんや管理会社が負担することが一般的です。分譲マンションの場合は、マンションの規約で給湯器の機種・号数・設置場所・色などが予め定められている場合があり、管理組合に申請をしないと交換できないケースもあります。
給湯器の修理・交換を検討する際は、事前に大家さんや管理会社、管理組合に相談するようにしましょう。

2：給湯器の設置場所変更に注意

給湯器の設置には消防法により定められた設置基準を満たす必要があります。
ガス給湯器本体の前方・後方・側面には定められた隙間を空けて修理・点検スペースを確保する、排気口付近に物がないなど、細かな設置基準がありますので注意が必要です。また、設置場所変更には水道管や給湯管の取り替えや延長工事も必要になるケースもあります。
給湯器交換時に設置場所を変更する場合には、資格を持った専門業者に安全に設置してもらいましょう。

3：給湯量（号数）変更は、ガスメーターの能力に注意

給湯器の湯量（号数）をアップしてもガスメーターの能力が足りないと給湯量が変わらないことがあるため、給湯量（号数）を増やしたい場合はガスメーターの能力を事前に確認する必要があります。

ガスメーターの能力の確認方法

画像引用元：YouTube｜生活救急車ちゃんねる

ガスメーターの能力を確認するには、ガスメーター本体に貼付してあるシールのアルファベットの後ろにある数字（号数）をチェックしましょう。

【ガスメーターの号数と給湯器の号数】

		ガスメーター4号	ガスメーター6号	ガスメーター8号
一般的なガス給湯器	16号	◯	◯	◯
	20号	◯	◯	◯
	24号	×	◯	◯
エコジョーズ	16号	◯	◯	◯
	20号	◯	◯	◯
	24号	◯	◯	◯

例えば、ガスメーターに「NB 4」と記載がある場合は、一般的に16号または20号の給湯器が使用できます。ガスメーターに「NB 6」と記載がある場合は16号〜24号の給湯器が使用可能です。
なお、マンション・アパートなどの集合住宅の場合は建物全体のガス供給量が定められている場合もあるため事前に管理会社へ確認が必要です。

4：給湯量（号数）変更は、追加工事に注意

給湯器の湯量（号数）を変更する場合は、給湯器の交換工事の他に配管のサイズを変更するための大掛かりな工事が発生する場合もあります。配管工事は契約しているガス会社でしか対応ができませんので、事前に配管工事の必要性をガス会社に確認しておきましょう。

5：オートからフルオートへの変更は条件に注意

オートから、お湯はり／追い焚き／保温／たし湯／配管の自動洗浄を全自動で行うフルオートに変更する場合は、大きく３つの条件を満たす必要があります。

• 浴槽の側面カバー（エプロン）を外せるか
• 配管を増設できるか
• 循環アダプターを交換できるか

1）浴槽の側面カバー（エプロン）を外せるか

画像引用元：エルデハウスクリーニング

浴槽が埋め込まれている場合、浴槽が床や壁と繋がっている場合、浴槽の側面カバー（エプロン）がゴムパッキンで固定されている場合は、浴槽の側面カバー（エプロン）が外せないためフルオートへ変更できない可能性があります。

2）配管を増設できるか

オートとフルオートは配管の本数が異なります。オートは配管が1本、フルオート配管が2本なのでフルオートに変更する場合には配管を増設する必要があります。壁に穴を開けられなかったり床下がない場合には、配管を増設できないためフルオートへ変更できない可能性があります。

3）循環アダプターを交換できるか

循環アダプターとは、浴槽の内側に付いているお湯が出てくる丸い部品の事です。オートからフルオートに変更する場合は、オート用の循環アダプターからフルオート用の循環アダプターに交換できるかどうか確認が必要です。
また、循環口が奥にあって作業できない場合や、浴槽の側面カバー（エプロン）が外れない場合にはフルオートへ交換できない可能性があります。

これらの基準を満たしていれば、基本的にはオートからフルオートへの変更が可能です。ご自身での判断が難しい場合には専門業者に依頼するとよいでしょう。

6：エコジョーズは排水・排気に注意

エコジョーズを設置する場合は、排気熱を再利用する際に冷えて凝縮した水「ドレン水」を排出するための配管工事が必要です。酸性の「ドレン水」は下水道法において汚水に該当するため垂れ流しが禁止されており、汚水経路に排出するドレン配管工事を行います。
また、エコジョーズの排気は酸性なので、排気口付近に鉄やアルミ製の金属の物が置いてあると錆びたり、壁や物置の塗装が剥がれたりするケースがありますので注意しましょう。

まとめ

今回は、給湯器を交換する際に確認しておきたいポイントや給湯器交換をするときの注意点をご紹介しました。
現状お使いの給湯器の湯量や機能に問題がない場合は、基本的に「同じ設置タイプ」「同じ種類」への給湯器交換がおすすめです。

給湯器の設置場所や性能・機能を変更する場合にはさまざまな注意点がありますので、ご自身で判断できない場合や「交換にあたっておすすめの給湯器を教えてほしい」「交換費用を安く抑えたい」という方は、専門業者への依頼がおすすめです。

弊社メンテナンスは、東京都・神奈川などの関東を中心に、風呂釜交換・ガス給湯器交換を承っております。

コストを抑えた設置タイプ・種類が同じ給湯器への変更や、ご希望の機能を備えた給湯器への変更についてもご提案しておりますのでお気軽にお問合せください。